木村充揮さんのLIVE
(新型コロナウィルスの状況があって、以前行ったLIVE関係の記事をアップしたかったのを控えていました。記事がなくなってきたので、アップします。自粛警察の方が見ていたら、ご理解下さい…苦笑)
少し前になりますが、友だちに誘われて、木村充揮さんのライブに行ってきました。
「憂歌団」のボーカルの男性と言えば、思い出される方も多いでしょう。
愛を持って木村と呼び捨てにさせてもらいますが(笑)、よいライブでした。
場所は、上野にある木材工場の跡を改装したようなライブハウスで、ある意味でとてもおしゃれなお店でした。
ただ、いわゆるライブという言葉からイメージされる客層というかファン層とは明らかに違っていまして…。
人生のヤスリに削られたおじさんやおばさんがライブハウスの前にたむろし、タバコを吸ったりしている光景はなかなかのものです。
われわれでさえ、その中では若造といったところでしょう。
さて、木村はスツールに腰掛けて、お酒を飲みながら、またタバコを吸いながら、のいつものスタイルでした。
彼がライブの最初に言った言葉は、
「自分も勝手にやりますんでー」
「だから皆さんも自由にやってくださいー」
自由と平和です。
あまりに当たり前すぎる、人間にとってきわめて大切なその二つのものが、今われわれの中から消えつつあるのではないか。
木村の歌を聴きながら、そんなことを思いました。
「早よ、歌え!」
「やかましわ!」
みたいな掛け合いをライブ中ずっと客とやっている。
大阪にもいろいろとあるのだと思いますが、あらためて、よき大阪を体現している人だと感じました。
実は、木村のライブは10年ぶりでした。
10年前も、彼に声をかけてもらって一緒に木村のライブに行ったのでした。
もうどこのライブハウスだったか、二人とも覚えていませんでしたが…。
その後、彼と二人、上野の安い居酒屋で飲みながら話したこと。
それは、「10年前とは自分たちの中で木村の歌の受け取りが違っていたよな」ということでした。
木村の歌はブルースという分類になるのでしょうか、細かいところはわかりませんが、「ダメである」というところから出発して、だからといってそこから前向きに進むのでもなく、そこに佇んでいるような歌で、染み入るようなものがありました。10年前は、決してそのような聴き方はしていなかったと思います。
前の方で涙を流していた(ライブ中はさかんに木村に文句ばかり言ってた人なのですが(笑))おじさんがいましたが、「俺たちもあと10年たったらああなるのかな」と。
そんなことをしみじみ話しながら、安いビールをおいしく飲みました。
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