祖母との思い出


 私は小さい頃両親が共働きだったため、よく祖母に面倒を見てもらっていました。

保育園のお迎えはいつも祖母でした。

「あなたの育ての母はばあちゃんだ」とよく言われたものでした。

 そういう経験の方も多いのではないでしょうか。


 昔住んでいた家から歩いて30分ほど、山の上の中学校の前に祖父祖母の家がありましたので、部活の後はお茶を飲んで帰り、土曜日は一人でよく泊まりに行っていました。

 小さい頃の風景としてよく思い出すのは、祖母がカート(昔の人がよく使っていた、荷物を入れて運ぶ袋にキャスターが付いたアレです)に私を乗せて山の上の家まで連れて行ってくれた、そのとき後ろ向きに乗ったカートから見ていた景色です。




 祖母とはよく気が合いました。

あまりあれこれ言わない人で、逆に、人から言われたとおりにやる素直で我慢強い人でした。

 その特徴で、人からは好かれていました。


 自分が大学生になってからは、帰省のたびに祖母を連れて、車で行きたいところに連れて行ってあげました。

 どこそこの湧き水を汲んで持って帰りたいとか、ドリアが食べたいとか、そういうものでしたがー。


 祖父が亡くなってから、祖母は京都の叔父のもとで暮らすようになりました。

 偶然同じ頃、私も京都で仕事をすることになったので、休みの日にはまた車で京都のいろいろな神社仏閣に連れて行き、ドリアを食べさせました(笑)。



 その祖母が、この冬に亡くなりました。

 99歳でした。

 十分よく生きたと言える年齢ですが、後半は寝たきりになっていました。勝手かもしれませんが、それでも孫としては生きてくれているだけでたしかな支えになっていたので、もう少し長生きしてほしかった。


 ごく個人的な思い出で、ブログの記事としての意味はありませんが、自分のために書き留めておきたいと思いました。お許し下さい。




 2020年がスタートしました。

特別良いことはなくていいから、なんとなく無事に過ぎてくれればいいなと思います。


Ueda Lab (心理療法研究室)

とある大学で心理療法の研究と教育をしています。

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