「見る」意識と「眺める」意識:心理療法という営みの本質を考える
この11月に単著が出版されました。
書名は、
「見る」意識と「眺める」意識:心理療法という営みの本質を考える(創元社)
というものです。
本書は、日本箱庭療法学会の「木村晴子記念基金」による出版助成をいただいて出版することができたものです。
私のような無名の研究者にとって、単著を出版するということは大変難しいことだと自覚していますが、今回上記助成をいただき、これまでの研究成果を、皆さんの手に取って読んでいただける形で出版できたことを大変うれしく、感謝しています。
論文という形ではどうしても細切れになるところ、本という形でひとつのまとまったストーリーとして研究を提示できるのは、出版という形の利点であると思います。
内容は、井筒俊彦が提案した「眺める」意識という枠組みを、私なりに拡大して、心理療法における意識の役割を考察してみたものです。 和歌や石庭など文化的側面を切り口に利用したという点では、類似の書とは少し毛色が違っているかもしれません。
(題からもお分かりのように)壮大なテーマで、ずいぶん背伸びをした、あるいは少し力んだようなところもありますが、このようなテーマに関心のある方にお手に取っていただけると、とてもうれしいです。
本書は、先日の日本箱庭療法学会で初めてお披露目をしていただきました。出版社ブースで本書を展示販売していただいているのを見て、まるで、小さい頃から長く遊んだ自分の娘が嫁いでいくような(笑)感慨がありました(なにせ何事も人一倍時間のかかる人間ですのでー)。
これからこの分野で活躍される若い方々にとって、出版助成という形で研究成果を世に出すことのできるチャンスがあるということは大変な励みになると思います。 私も決して若手とは言えない年齢ですが、今回このようなチャンスをいただけて、励みになり、また研究を前に進めるエネルギーにもなりました。あらためてお礼を申し上げたいと思います。
買っていただいても、私の印税となるようなものではありませんので、気兼ねなく(笑)購入していただけるとうれしいです。
お礼とご報告とそして宣伝まで。
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