五大学院合同事例検討会


 先日、臨床心理学を学ぶ大学院生が5つの大学から集まり、合同で事例検討会が開かれました。


 運営も大学院生の方が主体的におこなってくれており、細部まで行き届いた会となっていました。守秘義務等の配慮も徹底していました。


 事例検討会は、もちろんその事例をよく理解するために、すなわち、ひとえにクライエントに資するためおこなわれるものです。さらには、その発表と議論を通して、発表者だけでなく参加者全員が臨床実践の力を高めていくことができるもっともすぐれたトレーニングでもあります。




 このような取り組みは、最近は他の大学同士でもよく見られるようになってきました。

(他大学とおこなう事例検討会は)「異文化交流である」というお話がありましたが、まさにその通りで、自分の大学内だけで学んでいるときには得られない視点を得るよい機会です。

 感覚としては、一種「他流試合」的な雰囲気もありますがー(笑)。


 大学院生の人たちにとっては、小さな学会で発表するような雰囲気があり、緊張もしていたようですが、得るところも多かったはずです。




 いずれにしても、心理療法をおこなう人間となるためには、(少なくともその初期の段階では)できるだけ多様な視点から面接経過を理解できるように心がけておくことは大事かと思います。

 理解の「深さ」も必要ですが、その前に「広さ」です。


 それには、いろいろな人の前で事例報告をして、率直に意見をうかがうに勝るものはありません。

 若い臨床家にとっては必須と言えるでしょう。


 そして、若くない私にとっても(若い人に比べ自然と事例報告する機会が減ってしまうので)、意識して率直に意見を求める場を増やしていかなければいけないなと思った次第です。


Ueda Lab (心理療法研究室)

とある大学で心理療法の研究と教育をしています。

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