バギーと車椅子

 「バギー」というものを、ご存知でしょうか。


 上の写真のような乗り物です。「ああ、大きめのベビーカーか」と思われる方も多いでしょう。ある意味ではその通りですが、厳密には、障がい児のための車椅子と考えてもらうとよいと思います。


 通常の車椅子の場合は、(1)ある程度姿勢が維持できること、(2)自分で操作ができること、などが条件になっていて、重さも相当重いものが一般的です。一方で、バギーは、かなりフラットになるようなものもあり、通常の座位の維持が困難な子どもや、自分で操作ができない子どものための車椅子という位置づけです。


 最近は、バギーもずいぶんと進化して、相当程度体重を支えられる(かなり大きくなっても使える)ものや、軽量で片手で折りたためるものなど、とても用いやすくなってきています。


 私がバギーを紹介したのは、このバギーについて多くの人に知ってもらいたいと思うためです。

 

 このブログは、障がいを抱えた子どもの子育てに関心をもつ方も見られているようですので、その中にはバギーを使っている方もいらっしゃると思います。そして、おそらく多くの方が、バギーについての誤解でつらい思いをされたのではないかと思います。


 というのは、すぐにわかるように、「バギーが単なるベビーカーだと思われてしまう」ことがあるのです。これは、車椅子の場合には起きないだろう問題です。


 私の長女は、つい最近までバギーを使っていましたが、バギーを使って町中を移動したり、電車に乗ったりすると、その大きさから奇異な視線で見られたり、明らかに迷惑そうな目で見られることが何度もありました。

 また車椅子専用の駐車場などでも、「子ども連れが障がい者用の駐車場を使っている」といった目で見られたり、実際に注意を受けたりしたこともあります。


 こういうことは、障がい児を育てている家族にとっては本当に忸怩たる思いのすることなのです。


 傷つくというのではなく、悔しいのです。



 バギーがベビーカーと違って車椅子なのだ、ということを知ってもらうために、ステッカーが作られています。下の写真は、私の家のバギーにつけてあるものです。


 ぜひ、多くの人に知ってもらいたいと思い、今日はブログに書きました。




 関心のある方は、下の記事がよくまとまっていて、わかりやすいと思いますので、ご覧になられるといいと思います。


Ueda Lab (心理療法研究室)

とある大学で心理療法の研究と教育をしています。

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