佐藤タイジさんのLIVE

 毎年夏休みは妻の実家である山陰地方のある町で過ごしています。

 田舎があるというのはよいものです。


 僕は自身が地方都市の育ちですのでこういう環境はまったく違和感はないのですが、子どもたちは今のところ名古屋や東京といった都会で育っているので、ずいぶん違った感覚をもつだろうなと思います。

 人が少なくて、海と山がすぐ近くにあって、泳ぎに行ったり、釣りに行ったり、ただ川沿いに散歩したり、それらがごく日常に、家からほんの少しのところにある。そのことは、子どもにとってこの時期とても大切な体験になるだろうと思っています。

 自分にとっても、夏にこの町で過ごすことは大事な息抜きになっています。実は、子どもより自分が一番楽しみにしているのかもしれない(笑)。




 さて、今回のブログのテーマですがー、

 今年はその山陰のある町の海沿いの小さなバーで佐藤タイジさんのLIVEがありました。

 

 最初、偶然その告知を見たときに、目を疑いました。あの町に来るって、いったいどこに来るのかな?と(すみません…)。と同時に、そのLIVEの告知を見たときに、「超ラッキー!」「今ならチケットが取れるし、見に行ける」と思いました

(実際はチケットや予約さえなく、ただ行けばいいだけでしたが…)。

 あとで聞いたところによると、そのバーのオーナーが佐藤タイジさんと知り合いで、佐藤タイジさんが広島にLIVEに来た流れでこちらに寄ってくれることになったということでした。


 佐藤タイジさんは、シアターブルックのボーカルの人と言えばお分かりでしょうか。

 僕は若いときからシアターブルックのファンで、長く聴いてきましたが、生で聴くのは初めてのことでした。デビューから25年になるそうで、感慨深かったです。たしかに数えたらそうなのですけど、自分も歳をとるわけです(笑)。

 しかし佐藤タイジさん本人は、まったく、ほんとうにまったく、そういうところを感じさせない、若々しいミュージシャンです。




 私が見たところ、佐藤タイジさんはこれほど有名な方でありながら、大都市だけでなく、地方都市やまたそこの小さなLIVEハウスへ足繁く通われ、演奏を行っています。

 また彼は、福島の原発事故を受けて、太陽光エネルギーだけでコンサートをおこなう試みをずっと続けています(中津川 THE SOLAR BUDOKANと言います)。実際それで3万人を集めてフェスができています。

 それから、熊本の地震があったときも、いち早くYouTubeにメッセージと歌を流したり、また現地へ足を運んでおられるようです。

   今回も、広島での平和祈念のLIVEを行なってきたばかりという話でした。


 困っている人や弱い立場にいる人へ歌を届けたいという気持ちが強いのだと思います。

そして、それを積極的に実行されている。

 そういった点では、希有なというか、決して現代風ではないミュージシャンで、私は個人的にそういったところにも好感を抱いています。


 「間違っていることは間違っていると言おうじゃないか」、「正しいと思うことはやろうじゃないか」、それで、「戦争に近づくことはやめて、愛を中心に生きていこうじゃないか」と。


 まあ、格好良いです。そりゃあ、もう(笑)。

 LIVEの内容については私の語彙ではよく説明しませんので、(写真は許可がありました)写真を多く貼り付けることで雰囲気だけでも味わってもらえればうれしいです。



 小さな山陰の町の、本当に小さな海辺のバーなのですが、とても居心地のいいお店でした。

 その小さな町の小さなバーで、あの佐藤タイジをほとんど目の前で見ているという、不思議というか、幸運というか、その感激はすごかったです!

(興奮して、このブログにはなじまないほど饒舌になっていますが(笑))


 お客さんはほとんど地元の人でした(当然だと思います)。終わった後、(地元の人間でないということがすぐにわかったのか)子ども連れの女性のお客さんから「どこから来られたんですか」と聞かれたので、簡潔に答えました。その相手にも「こちらにお住まいなんですね」とお聞きしたところ、「そうなんです。実は、3.11の後、この町に移住してきたのです」と言われました。とても驚きました。そうか、まだ東北大震災は続いているんだなと。その方は「また、お会いしましょう」と、にこやかに笑って帰って行かれました。


 その人もシアターブルックの歌が好きで、偶然この町で佐藤タイジさんのLIVEが開かれると知って来られたのだと思いますが、きっと、その人にとっては偶然ではなく、震災のことも含め、佐藤タイジさんの活動に大きく共鳴するところがあったのだと思います。

 そのことも貴重な思い出になりました。


 子どもたちには夏休みにいい思い出をたくさん、と思っているのですが、父親の自分に先にこの夏の一番思い出が確定した出来事でした(笑)。


Ueda Lab (心理療法研究室)

とある大学で心理療法の研究と教育をしています。

0コメント

  • 1000 / 1000