相談室30周年パーティ

 お世話になっている開業心理相談室が30周年を迎え、先日そのパーティが開かれたので、行ってきました。


 パーティという名のバーベキュー大会であるところが、ここの相談室らしいところです(笑)。




 振り返ると、当相談室には、私が大学生の時からかれこれ20年以上お世話になっていることになります。なんと長い…。

 若い頃は相談室でケースも担当し、またその指導も受けました。相談室が主催する障がい児のためのキャンプにも毎年参加してきました。


 もう長いお付き合いですが、相談室長のH先生を今すごいと思うのは、開業という形式の心理相談室を30年以上続けてこられたという、そのことです。


 「公認心理師」という新しい心理職の国家資格ができるとなった今だからこそ、そのことのもつ重みを感じます。


 今でこそ(インターネットの普及によって)開業の心理相談室やカウンセリングサービスがそれなりに展開して、事業として成り立っているところもありますが、30年前と言うと、今ほどカウンセリングというものが一般的でなく、宣伝も難しく、開業という形で心理相談室を運営して、それで「食べていく」というのは、並大抵のことではなかったと思います。


 その中で、「開業」という形にこだわって、他からの束縛や制約を受けずに、先生自身のポリシーにしたがって臨床活動を継続されてきたことは、本当にすごいことです。


 私が言うと怒られますが(笑)、H先生は、いわゆる「不羈独立」の気質を持っておられたということだと思います。言い方を変えると、人から使われるということが嫌いなんじゃないかと思います(笑)。


 私はその先生の不肖の弟子と言うか、手のかかる息子というか、まあそのような感じで(笑)、お世話になってきました。





 実は、個人的に大変びっくりするような偶然もありました。私が今勤めている大学で一緒に仕事をさせていただいているある教授の先生が、実はH先生の親しい後輩であったということがわかったのです。そのような巡り合わせにも、何かの縁を感じているところです。





 相談室は、室長のH先生と、先生の大学時代の2人の友人の、合わせて3人の先生でまわしてこられました。いずれの先生も、人を緊張させるという雰囲気からほど遠く、目上の人が苦手な自分には本当に助かりました。


 また、相談室には、心理職だけでなく看護師、福祉関係の方など、多様な人が関わってこられて、それが当相談室が他の開業心理相談室とちょっと違う「味」になっています。

 相談室では月に一度「臨床人間学研究会」という研究会を開いていますが、参加する人が様々なバックボーンを持っているので、テーマも心理学に限らず多様で、それを許容しているからこそ、大変面白い研究会になっています。

 



 私は、今の大学に着任するまで各地を転々とし、ついこの前も愛知県で6年ほど働いてきて、ここのところは相談室にもほとんど顔を出せていなかったのですが、今回ようやく東京に戻って来て、先生の奥さんに「おかえり」と言ってもらえたことが、とてもうれしかったです。


 相談室には、自分の信頼する友人や後輩もかかわっており、また彼らと楽しくやれると思うと、何よりうれしい気持ちです。


 いずれは私も個人で相談室を開き、気兼ねなく(笑)心理療法の仕事ができる場がほしいなあと思いました。


Ueda Lab (心理療法研究室)

とある大学で心理療法の研究と教育をしています。

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