心理臨床学会奨励賞を受賞しました
このたび、日本心理臨床学会 奨励賞 を受賞しました。
5月28日(日)に東京国際フォーラムでおこなわれた日本心理臨床学会の定時社員総会において贈呈式が開かれ、そこで授与をしていただきました。
クライエントの方々をはじめ、お世話になった先生方や尊敬する友人たちにまず感謝をしなければならないと思います。
本学会の「学会賞」が、この領域ですでに多くの業績をあげた著名な先生方への賞であるのに対して、「奨励賞」はこの領域において(年齢は関係ありませんが)まだ若手とみなされる人たちへ<今後も頑張るように>という励ましの賞と位置づけられるので、ある意味ではこの領域における芥川賞のようなものだと理解していました。
私は、自分の書いてきた論文がそのような大きな賞の評価を受けるとは、まったく想像もしていませんでしたので、最初はよく事態が飲み込めず、その後、率直にただ驚いたという次第でした。
ちょうど受賞の連絡を確認できたのが 3 月 31 日だったので、これは一足早いエイプリルフールで友だちが送ってきたのかと思い、何度か封筒をひっくり返したりして確認したほどでした(笑)。実際に贈呈式に出席して、賞を手渡ししていただいて、はじめて、「ああ、ほんとうにいただいたんだな」と実感したという次第です。
今回の受賞を一番喜んでくれたのは下の娘で、それまで父親は何の仕事をしてるのか、そもそもちゃんと働いているのか、わからなかったみたいですが、「一応働いてはいるようだ」「どうやら運動会のようなものでメダルをもらったようだ」と、子どもなりに安心したみたいでした(笑)。
私は、大学を出てからは、現在の大学に勤務するまで、教育相談や学生相談の領域で働くごく普通の一人のカウンセラーでした。
ただ大学時代の恩師が、「君は臨床の現場に出ても研究だけは続けなさい」と言ってくださっていたおかげで、細々と研究を続けてきたようなところがあります。
私の研究のスタイルは、ただ心理面接をし、そのうち自分にとって大事だと思うことがあれば時間をかけて事例論文を書くということを繰り返してきただけのシンプルなものです。テーマや書き振りは決して多くの人に好まれるようなものではなく、むしろ好き嫌いが分かれるところがあるようにも自覚しています。
ただ、そのような拙い論文を、自分と直接面識のない先生方がどこかで読んで評価してくださっていたということが、賞をいただいたということ以上に、何よりうれしい気持ちがします。
そのようなことはもちろん私自身のこれからの励みになりますし、きっと心理療法という営みに真摯にかかわっている若い人たちの励みにもなるのではないかと思います。
そのようなことについて、ここでもあらためてお礼と感謝を示したいと思います。
ありがとうございました。
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